カレー考(3) カレーを苦しめているのは米

カレー考

カレー高すぎ問題(3)

肉が原因ではなかった。
野菜も確かに高いが、それだけでは説明がつかなかった。
では、家でつくるカレーを本当に苦しくしているものは何なのか。

考え続けていくと、最後に残るのはあまりにも当たり前すぎる存在だった。
毎回そこにあり、疑うことすらしなかったもの。
――ごはんだ。

主役ではないのに、最も重い存在

カレーは「カレーライス」という料理だ。
つまり、主役はカレーだけではない。
ライスがあって、初めて完成する。

帝国データバンクの試算では、カレー1食365円のうち、およそ4割がごはんのコストだ。
肉より高い。
野菜よりも重い。

にもかかわらず、私たちはそこをほとんど意識してこなかった。

なぜ、米はこれほど効いてくるのか

理由は単純だ。
ごはんは「減らしにくい」。

肉なら、量を調整できる。
種類も変えられる。
ひき肉にする、少なめにする、別の具材で補う。
実際、多くの家庭がそうしてきた。

しかし、ごはんは主食だ。
減らすと満足感が一気に落ちる。
カレーとの相性が強すぎて、代替もしづらい。

逃げ場がない。

数字で見る「急に苦しくなった理由」

直近3年のカレー1食コストを見てみると、上昇カーブははっきりしている。
2023年から2025年にかけて、なだらかだった線は急に角度を持ち始めた。

このタイミングと重なるのが、米価格の高騰だ。
精米5kgで5,000円を超える水準。
毎日の食卓に直撃する価格帯になった。

カレーは変わっていない。
変わったのは、前提となる主食の価格だった。

家庭はすでに調整を始めている

この変化に、家庭は静かに対応している。
ごはん少なめ。
キーマカレーや無水カレー。
ナンやパン、麺との組み合わせ。

「節約している」という意識よりも、
「そうしないと成り立たない」という感覚に近い。

米を避ける工夫が、無意識のうちに広がっている。

カレーは悪くない

ここで一つ、はっきりさせておきたい。
カレーは悪くない。

材料も、作り方も、大きく変わったわけではない。
ただ、支えていた前提――
「ごはんは安くて当たり前」という土台が揺らいだ。

それによって、カレーが重く見えるようになっただけだ。

肉を疑い、野菜を見直し、
最後にたどり着いたのが米だった。

犯人探しは、ここで終わる。
大切なのは、ここからどう付き合うかだ。

次回予告

次回は、
カレー考(4) それでも、私たちはカレーを食べる。

高くなっても、
工夫してでも、
なぜカレーは食卓から消えないのか。

価格の話を超えて、
カレーという料理の強さを考える。

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