カレー高すぎ問題(4)
ここまでで分かったことは、シンプルだ。
家でつくるカレーは高くなった。
その原因は肉だけではなく、むしろ米が効いていた。
それでも、カレーは食卓から消えていない。
値上がりしたからといって、姿を消す料理もあるなかで、
カレーは形を変えながら残り続けている。
第4回では、
「高くなったカレーが、どうやって生き残っているのか」
そして
「これからの食卓で、カレーはどう扱われていくのか」
を整理してみたい。
高くなったのに、なくならなかった理由
カレーは、完成度が異常に高い料理だ。
一皿で主食とおかずを兼ね、満足感があり、家族全員に対応できる。
しかも、多少具材を変えても成立する。
価格が上がっても残った理由は、
「安いから食べていた」料理ではなかったからだ。
カレーは、
生活に合わせて調整できる余白を最初から持っていた。
家庭はすでにやり方を変えている
この数年で、カレーのつくり方は静かに変わった。
- 肉を主役にしないキーマカレー
- 水を使わない無水カレー
- ごはん少なめ
- ナンやパン、麺との組み合わせ
これらは流行というより、適応だ。
「節約している」というより、
「そうしないと成り立たないから、自然にそうなった」。
家庭は、値上げに文句を言うより先に、やり方を変えていた。
数字にも表れ始めている変化
こうした変化は、感覚だけの話ではない。
キーマカレーや無水カレーといった、
米や肉の量を前提にしないカレーの検索が、
定番カレーよりも伸びている。
「カレーをやめる」のではなく、
「カレーの前提を変える」方向に、人は動いている。
カレーは悪くない。前提が変わっただけだ
ここで一つ、はっきりさせておきたい。
カレーそのものが悪くなったわけではない。
変わったのは、
- 米は安い
- 肉はたっぷり使える
という、かつての前提だ。
その前提が崩れたことで、
カレーが「重い料理」に見える瞬間が増えただけだ。
だからこそ、工夫が生まれた。
だからこそ、カレーは残った。
これからの食卓での、カレーの位置
これからのカレーは、
「安い国民食」ではなくなるかもしれない。
代わりに、
- 工夫して食べる料理
- 家庭ごとの正解がある料理
- 頻度は減っても、ちゃんと残る料理
になっていく。
それは衰退ではなく、性質の変化だ。
高くなった。
前提は変わった。
それでも、カレーは消えなかった。
理由は単純だ。
カレーは、生活に合わせて姿を変えられる料理だったからだ。
「カレー高すぎ問題」は、
カレーの終わりではなく、
これからの食卓を考える入口だった。



