カレー考(1) 家でつくるカレーが高くなった理由

カレー考

カレー高すぎ問題(1)

最近、家カレーが高く感じる理由

「外で食べたら高い」は前から分かっていた。
でも最近は、家で作るカレーまで高く感じる。
特別なスパイスも使っていない。市販のルウで、じゃがいも・にんじん・玉ねぎを入れて、ごはんを炊く。いつもの手順だ。それでも、レジで合計金額を見ると、少し立ち止まってしまう。

この違和感は、節約意識が強くなったからだけではない。
実際に、家カレーの前提が変わりつつある。

数字で見ると、やっぱり高くなっていた

感覚だけで語ると、「気のせい」で片づけられる。
そこで数字を見る。

帝国データバンクによると、2025年11月時点で、家庭で作るカレー1食あたりの平均コストは365円。前年同月から45円上昇し、51カ月連続で値上がりが続いている。

かつて「安くて量が作れる料理」だったカレーが、すでに別の価格帯に入っていることが分かる。

※出典:帝国データバンク

直近3年で何が起きたのか

注目すべきは、金額そのものよりも上がり方だ。
2020年前後までは、カレーのコストは緩やかに推移していた。それが2022年を境に、明らかに角度が変わる。

2022年:約275円
2023年:約300円
2024年:約320円
2025年:365円

出典:帝国データバンク「カレーライス物価指数」より作成

「少しずつ高くなった」のではない。
ここ2〜3年で、一気に跳ねた。

多くの人が「最近おかしい」と感じているのは、このスピード感によるものだ。

カレーは、なぜここまで高くなったのか

理由を考えると、まず肉が疑われる。
牛肉が高い。豚肉も上がった。鶏肉も安くない。確かにそれは事実だ。

ただ、それだけでは説明がつかない。
実は、カレーのコスト構造そのものが、静かに変わっている。

一番効いているのは「ごはん」だった

カレー1食のコストの中で、最も割合が大きいのは肉ではない。
ごはん【米】だ。

帝国データバンクの試算では、カレー1食のうち約4割を「ライス」が占める。
この米価格が、ここ数年で大きく上昇している。精米5kgで5,000円を超える銘柄も珍しくなくなった。

さらに、にんじん・じゃがいも・玉ねぎという“定番三種”も高値圏が続く。
贅沢な具材を入れなくても、カレーは高くなる構造に入ってしまった。

出典:帝国データバンク「カレーライス物価指数」より作成

それでも、家庭はカレーをやめていない

ここまで高くなっても、カレーは作られ続けている。
ただし、作り方は変わった。

Nadiaの調査では、市販ルウ派は7割超。そのうち約4割が、隠し味やルウのブレンドをしている。
キーマカレーや無水カレーが支持されるのも、時短や節約だけでなく、「納得感」を高める工夫として選ばれているからだ。

やめるのではなく、最適化する。
家庭は、そうやって対応している。

カレーは「考える料理」になった

かつてのカレーは、考えなくていい料理だった。
とりあえず作れる。翌日も食べられる。安定した存在だった。

今は違う。
材料を選び、作り方を工夫し、納得して作る料理になった。
価格が上がったことで、カレーは生活を映す料理になったとも言える。

次回予告|犯人は肉じゃなかった

次回は、
カレー高すぎ問題|犯人は肉じゃなかった
という話をする。

「ビーフが高いから」「豚肉が原因」という直感は、本当に正しいのか。
データをもう一段分解すると、見落とされがちな要因が浮かび上がる。

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